絵本を開いたとたん、どこかへ行ってしまう。
ページを勝手にめくる。違う本を持ってくる。そのうち飽きて、ぐずりだす。
「せっかく読んでいるのに、どうして聞いてくれないんだろう」
そう思って、少し悲しくなった夜、ありませんか。
わが家でも、そんな夜が何度もありました。2歳の息子はすぐ別の本を持ってくるし、8歳の上の子はいつの間にか本をあまり読まなくなりました。
でも今は、少し考え方が変わっています。
子どもが絵本を聞いてくれないのは、集中力の問題でも、絵本嫌いでもないことがほとんどです。
この記事では、研究データとわが家の実体験をもとに、「聞いてくれない」理由と、読み聞かせをもっとラクに楽しむヒントをお伝えします。
「聞いてくれない」と感じているのはあなただけじゃない
まず、これを知ってほしいのですが。
「うちの子だけ聞いてくれない」と思っている親御さんはたくさんいます。調査によると、保護者が感じる「聞いてくれない」理由のトップはこんな感じです。
- すぐどこかへ行ってしまう:78%
- スマホやテレビに夢中:72%
- ページを勝手にめくる:68%
- 違う本を持ってくる:58%
- 飽きて泣き出す:52%
約8割の親が「すぐどこかへ行く」と感じています。
つまり、あなたのお子さんが特別なわけじゃない。ほとんどの子どもが、同じように「聞かない」んです。
聞いてくれないのは、発達上ごく正常なこと
では、なぜ子どもは絵本を聞いてくれないのでしょうか。
答えはシンプルで、「聞かない」のではなく、「今の発達段階ではそれが自然」なんです。
0〜2歳は「触る・めくる」が仕事
この時期の子どもは、物語を理解するよりも「触る・噛む・めくる」という感覚的な探索が優先されます。本を投げたり、破ろうとしたりするのも、発達の過程における正常な「実験」です。
わが家の2歳の息子も、気に入ったページを何度もめくったり、突然違う本を持ってきたりします。最初は「ちゃんと聞いてよ」と思っていましたが、今はそれが息子なりの楽しみ方だと思えるようになりました。
2歳の集中力は2〜5分が限界
1〜2歳の集中力が続く時間は、わずか2〜5分程度と言われています。1冊まるごと聞かせようとすること自体、発達的に無理なお願いをしていることになります。
6歳まではイメージで世界を見ている
6歳までの子どもは、言葉を論理的に追うより、絵や感覚でイメージする状態です。だから大人のペースでゆっくり読むと、逆に退屈してしまうことがあります。
読み聞かせでやってしまいがちなNG行動
実は、親の関わり方が「聞かない」原因になっていることもあります。
NG① 「これは何?」と質問しすぎる
「このどうぶつ、なんていうの?」「さっきのお話、覚えてる?」
こういったテスト的な質問は、子どもに「正解しなきゃいけない」プレッシャーを与えます。絵本の時間が、楽しい時間ではなく「怖い時間」になってしまうことがあります。
NG② 完読を目指しすぎる
「最後まで聞いてから」「まだ終わってないよ」
興味を失った子どもを無理に座らせることは、絵本嫌いへの一番の近道になってしまいます。
NG③ 教訓を押し付ける
「だからこうしなきゃダメなんだよ」
物語を楽しむ時間が説教の時間になると、子どもは絵本を「嫌なもの」と感じるようになります。
NG④ 声色を変えすぎる
過度に演じすぎると、子どもが自分の想像力を働かせる余地がなくなります。
うちのパパは淡々と読むタイプですが、それでも息子は毎晩同じ本を持っていきます。読み方より、一緒にいる時間の方が大切なのかもしれません。
今日からできる5つのこと
難しいことは何もありません。少し関わり方を変えるだけです。
① 読む前に30秒、絵を見せる
いきなり読み始めず、まず表紙や最初のページをじっと見せます。「何があるかな?」と思わせることで、物語に入りやすくなります。
② 質問より「つぶやき」に変える
「これは何?」ではなく、「おいしそうだね」「ドキドキするね」と共感のつぶやきを挟むだけで、子どもが自然に絵本の世界に引き込まれます。
③ 途中でやめることをルールにする
飽きたら途中でやめる。好きなページだけ読む。それでいいと決めてしまうと、親も子どもも気持ちがラクになります。
わが家でも、「おしまい」と言われたらその日はそこで終わりにしています。不思議と、翌日また持ってくることが多いです。
④ 絵本を子どもの目線に置く
本棚の場所を変えるだけで、子どもが自分から絵本を手に取ることが増えます。背表紙ではなく表紙が見えるように並べると、さらに効果的です。
⑤ 同じ本を何度読んでもOKにする
「また同じ本?」と思うことはありませんか。でも、同じ本を繰り返し読むことは、語彙と記憶を定着させる正常なプロセスです。
息子が「ねないこだれだ」を何十回と持ってくるのも、今はそういうことかと思えるようになりました。
番外編:8歳になった今も、絵本を続けている理由
上の子は今8歳。自分でも文字が読めるようになってきました。
でも「全部読んで」と言うと嫌がります。
そこでやり始めたのが、交互に読み合いっこ。
私が多めに読んで、「次ここ読んでみる?」と渡す。無理なく、でも自然と音読の練習になっている。
「読まされている」じゃなくて、「一緒に読んでいる」という感覚が大事なのかもしれません。
絵本は、小さい子だけのものじゃないんだなと、8歳の息子に教えてもらっています。
年齢別の読み聞かせガイド
| 年齢 | この時期の特徴 | おすすめの関わり方 |
|---|---|---|
| 0〜1歳 | 触る・慣れることが大切 | 1〜2分で切り上げてOK |
| 1〜2歳 | めくる速さに合わせて読む | 文字より絵の名前を言うだけでもOK |
| 2〜3歳 | 自分で選びたがる | 好きな本を選ばせて、同じ本を繰り返す |
| 3歳以降 | 対話が楽しくなる | 「どう思う?」と感想を聞いてみる |
| 小学生 | 自分で読めるようになる | 交互に読み合いっこで無理なく続ける |
読み聞かせの効果は、長い目で見てください
少し希望になる話もお伝えします。
0〜6歳の読み聞かせ習慣は、10歳時点での語彙数に大きな影響を与えることがわかっています。週10冊以上読み聞かせた子の語彙数は約5,800語、週0〜2冊の子は約3,200語と、2,600語もの差が出るというデータがあります。
でも、だからといって「たくさん読まなきゃ」とプレッシャーを感じる必要はありません。
毎晩完璧に読めなくていい。途中で終わる日があってもいい。
今日、絵本を開いたこと。それだけでじゅうぶんです。
この記事で紹介した絵本
読み聞かせのきっかけにぜひ手に取ってみてください。
ねないこだれだ|せなけいこ 【Amazon・楽天リンクをここに追加】
きんぎょがにげた|五味太郎 【Amazon・楽天リンクをここに追加】
じゃあじゃあびりびり|まついのりこ 【Amazon・楽天リンクをここに追加】
まとめ
「絵本を読んでも聞いてくれない」は、ほぼすべての親が通る道です。そしてそれは、お子さんが正常に発達している証でもあります。
- 聞かないのは集中力の問題ではない
- 2〜5分で飽きるのは当たり前
- 完読しなくていい
- 質問よりつぶやきを大切に
- 小学生になっても、交互に読み合いっこで続けられる
読み聞かせは、正しくやるものじゃなくて、親子で楽しむものだと思っています。
「ちゃんと読まなきゃ」と思っていた自分に、今なら言えます。
もっと肩の力を抜いて、今夜も一緒に絵本を開いてみてください。
この記事は、乳幼児の発達心理学に関する研究データをもとに作成しています。

